不育症とは、妊娠は成立するものの流早産を繰り返すことをいいます。流産は決して稀ではありません。
複数回の流産の経験がある方は、その原因を調べ、治療しておく必要があるでしょう。
流産の原因は、母体側要因と胎児側要因に大別されます。初回流産の場合、多くは胎児側の染色体異常が原因であるため治療方法はありません。そのため、医学的には流産検査および治療の対象にはなりません。ただし、検査のご希望のある場合には相談していただくことも可能です。
年齢、不妊治療歴、患者様のご希望等により相談して必要な検査を行います。
流産は大変つらい経験であり、次の妊娠に向けて気持ちを切り替えるまでに時間や精神的な準備が必要となるでしょう。当院では不育症の専門外来として、不育・着床不全外来や不育症カウンセリングを開室しています。必要に応じて、当院培養士、遺伝カウンセリング、心理カウンセリング、統合医療とも連携していきながら、総合的なサポートを目指しています。ぜひご相談ください。
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮形態異常(双角子宮、中隔子宮、重複子宮など)子宮腔内癒着、内膜ポリープなどが流早産の原因となることがあります。子宮内腔に張り出す様な子宮筋腫がある場合や子宮の形態が変形している場合、流産の原因となります。
腹腔鏡、子宮鏡、開腹により子宮の形成術を行います。
抗リン脂質症候群では、血液が固まりやすく(血栓ができやすく)、胎盤の血液のめぐりが悪くなり流産を起こしやすくなると考えられています。
自己抗体異常とは、自分の体の細胞を自分の抗体で攻撃してしまう病態です。本来抗体は細菌などの異物に対して自分を守るために攻撃を行うものですが、自己抗体異常の場合は自分の細胞に対して攻撃してしまい、流産を引き起こすと考えられます。
夫婦いずれかに染色体異常がある場合流産を繰り返すことがあります。
染色体の異常がわかった場合、残念ながら治療の方法はありません。しかし、患者様により出生前診断の適応となることがありますので、ご相談ください。