排卵後、人の卵子が何時間、受精能力を保つことができるのかは不明ですが、一般に12~24時間くらいと考えられています。精子も同様で、射精後、一般に48~72時間位と考えられています。この間に、卵子と精子は、卵管膨大部で巡り会います。
卵子の殻である透明帯には、精子をくっつける部分があります。精子はこの透明帯にくっつくと、頭部のアクロゾームと呼ばれる袋の中身を放出します。この中身のアクロシンという酵素で透明帯を溶かしながら、精子は進んでいくのですが、最も重要なのはやはり精子の直進運動です。
いったん、先頭の精子がこの透明帯を通過すると、透明帯は、透明帯反応と呼ばれる変化を起こして、他の精子を通さなくします。このように、一つの卵子に一つの精子が受精する仕組みになっているのです。
透明帯をくぐり抜けた精子は、次に卵子の細胞膜に包み込まれ、合体します。この合体により、卵子は再び活性化します。このあと、精子頭部の核が卵子の中に進入していきますが、これが受精です。精子の核と卵子の核は、徐々に接近し、やがて一つになります。