不妊治療の知識

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副作用について

多胎妊娠

体外受精治療では、妊娠率を高める為に複数の受精卵を移植することがあります。当院では、2段階胚移植にて合計3個の良好受精卵を移植した場合、双胎が 40%、三つ子が5%となります。2段階胚移植にて合計2個(1段階で1個、2段階で1個)にしておきますと、双胎が20%、三つ子が0%という結果です。多胎妊娠を避ける為には、受精卵1個の移植が望ましいのですが、この場合妊娠率は20%(4細胞期胚1個)からせいぜい40%(胚盤胞1個)となります。

子宮外妊娠

通常の体外受精では、受精卵を通常子宮腔に移植致します。ところが、子宮と卵管はつながっていますので、子宮内に移植した受精卵が卵管に移動することがしば しばあります。卵管内の受精卵は、大抵は子宮へ移動し、子宮に着床するのですが、卵管の中で動けなくなって卵管に着床、すなわち子宮外妊娠となってしまう ことがあります。日本産婦人科学会の報告では、子宮外妊娠は妊娠例の約3%前後と考えられます。当院では、移植の際に注入する培養液の量を減らし、また模擬胚移植や子宮鏡検査にて移植部位を定めておくことで、子宮外妊娠の発症率を抑えております。しかし、子宮外妊娠を100%予防することは困難です。当院の統計では、子宮外妊娠は全妊娠例の約1%となっております。

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

多くの場合、体外受精に際しては、排卵誘発剤を使用して卵を多数発育させて行います。この排卵誘発剤の副作用として、卵巣過剰刺激症候群を発症することがあ ります。これは、卵巣が大きく腫大と腹水貯留、そのため腹部が膨満し、ときには腹痛と呼吸困難などの症状が出現するものです。腹水は稀には2リットルにも 達することがあります。腹水は血液の水分がお腹に漏れて貯まったものですから、その分血液中の水分が少なくなり、結果的に脱水状態、血液濃縮が起こること があります。血液濃縮が起こると尿が出にくくなったり、体重が増加します。また、血栓が出来やすくなりますので、点滴や内服が必要になります。当院では、 採卵後の皆様には、体重チェックと排尿回数の記録をお願いしております。これにて卵巣過剰刺激症候群の発症を早期に診断することが出来ます。

 

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