なんら避妊の手段を講じていないにもかかわらず、2年間妊娠にいたらない場合を、医学的に不妊症と定義します。一般的には病気という認識がうすいのですが、不妊症はれっきとした病気なのです。
1回の排卵につき、出産を期待できる割合は10%~25%の間と考えられています。排卵は通常1ヵ月に1回起こります。排卵日に合わせて性交が成立したとすると、平均4ヵ月~10ヵ月で妊娠できる計算になります。
しかし、毎月排卵日に合わせて性交が成立するとは限りません。かりに2ヵ月に1回タイミングよく性交が成立したとすると、平均8ヵ月~20ヵ月で妊娠できる計算になります。
実際、結婚してから特別な避妊をしていなければ、1~2年のうちに約90%のカップルに妊娠の成立が見られるのです。そこで、1年間妊娠にいたらない場合を、医学的に不妊症と定義するのです。
従って、結婚後半年~1年間避妊をしていないのに妊娠しないようなら、一度専門医を受診することをお勧めします。加齢とともに、妊孕能(妊娠しやすさ)は低下することが知られていますから、一度は早めに検査を受けたほうがよいと思われます。
また、月経が不順であったり、過多月経や月経痛など、月経時のトラブルが強い場合には、不妊の原因が見つかることがありますので、受診をお勧めします。
およそ6組に1組のご夫婦が不妊症と考えられています。多くのご夫婦が不妊の悩みを抱えています。
にもかかわらず検査を受けるのが恐いなどの理由で病院へ行くことを迷っているのでしたらとても残念なことです。
子供ができなくてもいいというのでしたらともかく、「子供が欲しい」と願っているのでしたら、ぜひ早めに検査を受けてみてください。